伊坂ワールドに引き込まれる~ 『シーソーモンスター』
久しぶりに読む、伊坂幸太郎さんの本。
やっぱり面白い!!
すっかり伊坂ワールドに引き込まれました(^^♪
初めて読んだ『ゴールデンスランバー』からのファンです。
奇想天外というか、ありえないでしょ!!と思ってしまう内容とか・・・
なのに、読み始めると止まらない(笑)
『シーソーモンスター』も、伊坂さんの作品そのもの!
面白かったです。
『シーソーモンスター』と『スピンモンスター』の2部構成です。
『シーソーモンスター』、時は昭和後期。
同居する、嫁と姑の諍いに悩む、製薬会社に勤務するサラリーマン、北山直人が職場の先輩に悩みを打ち明けている場面から始まります。
相性の良くない嫁と姑。
嫁は宮子、姑はせつ。
嫁姑問題で悩んでいる男の話かな・・・と読み進めていくと、とんでもない勢いで世界規模への問題へと広がっていきます。
新幹線で偶然となり合わせになったのを機に結婚した直人ですが、嫁、宮子の正体は⁉
そして直人の母、宮子の姑であるせつの正体は⁉
昭和後期のバブル期。
製薬会社と医者との間の陰謀。
サスペンス、アクション。
中盤からは読む手が止まりません(^^♪
最後、大きな一仕事を終えた、宮子とせつ。
そして別居し、距離をとって生活するようになった宮子とせつ。
その後、ふたりは共同で絵本を作るようになり・・・
それが次の『スピンモンスター』へと繋がっていきます。
『スピンモンンスター』、時は経ち近未来。2050年頃のこと。
自動車事故によって、家族を亡くしたふたりの少年。
水戸と檜山。
お互いに同じ境遇にもかかわらず、会えば必ず対立してしまう。
近未来、情報が氾濫し、大切な手紙や情報は手紙によって伝達されるようになっていた。そんな手紙の配達人になっていた水戸。
たまたま乗っていた新幹線で、隣に座った男から渡された手紙から、大きく事件が始まっていきます。
逃げる水戸。
そして、警察官になった檜山が、それを追っていきます。
そして意外なところで出てくる『シーソーモンスター』の宮子。
こんなことろで、宮子さんの活躍にまた出会えるのは嬉しいですね。
小説の根底にあるのは、どうしても相性の悪い人がいるんだってこと。(かな?)
それを「海族」と「山族」の対立として書かれています。
会えば必ず争いが起こる。
この『シーソーモンスター』、『スピンモンスター』は、8組9名の作家さんが、古代から未来までの日本を舞台にした、ふたつの一族が対立する歴史を描いた競作企画の物語のうちの2作品です。
明治の対立を描いたのは、薬丸岳さん『蒼色の大地』、
平成の対立を描いたのは、朝井リョウさん『死にがいを求めて生きているの』
など、読んで見たいな~と思います。
伊坂さんの作品には、監視カメラで監視される現代、そして未来の事が多く書かれています。確かに最近は、どこにでも監視カメラが設置されていて、何か事件が起きた時には大きな力を発揮しています。
AI(人口知能)に支配され、監視カメラで常に監視される近未来。
この先、どのように変わっていくのでしょう。
『ゴールデンスランバー』や『スピンモンスター』にも描かれているように、いつの間にか自分が、何の罪もない事件の犯人にされている・・・なんてことがあったら、そら恐ろしいですね。
少し前の話になりますが、近くで轢き逃げがあったらしく、うちに刑事が訪ねてきたことがありました。
今は車にも、ドライブレコーダーというものがついていますからね。
本当にいたるところカメラだらけです。
久しぶりに伊坂幸太郎さんの作品を読みながら、近未来を想像した7月でした~(^^♪