『おもかげ』 浅田次郎著 読みました。
始めて読んだ浅田次郎さんの作品は、『天国までの百マイル』でした。
それ以降、『地下鉄に乗って』や『王妃の館』なども読み、大好きな作家さんです。
この『おもかげ』もとても良い作品でした。
定年退職を迎え、送別会を開いてもらった帰り道、地下鉄の車内で倒れ救急搬送され集中治療室のベッドど眠る主人公。
夢かうつつか・・・
この主人公を様々な人が異世界へと連れ出し、この主人公の生い立ちが明らかになっていきます。
死を目前に、主人公の出生の事実が分かった時、ずっと長い間満たされなかった親への想いは昇華され、安らかな気持ちで旅立つことが出来たのだと思います。
昭和20年生まれの主人公と、当時の地下鉄の様子がうまく絡まって、昭和感たっぷりの、心温まる作品でした。
やっぱり最後は泣けますね。
《Amazonの商品紹介》
内容紹介
「忘れなければ、生きていけなかった」
浅田文学の新たなる傑作、誕生――。
定年の日に倒れた男の〈幸福〉とは。
心揺さぶる、愛と真実の物語。
商社マンとして定年を迎えた竹脇正一は、送別会の帰りに地下鉄の車内で倒れ、集中治療室に運びこまれた。
今や社長となった同期の嘆き、妻や娘婿の心配、幼なじみらの思いをよそに、竹脇の意識は戻らない。
一方で、竹脇本人はベッドに横たわる自分の体を横目に、奇妙な体験を重ねていた。
やがて、自らの過去を彷徨う竹脇の目に映ったものは――。
「同じ教室に、同じアルバイトの中に、同じ職場に、同じ地下鉄で通勤していた人の中に、彼はいたのだと思う」(浅田次郎)
まもなく平成も終わり、新しい元号が始まります。
昭和は遠い過去になってしまうのですね~。
ちょっと昭和が懐かしくなったら読んでみてください(*´▽`*)