『かあちゃん』 重松清 著 読みました。
重松清さんの『かあちゃん』
重松清 × かあちゃん ときたら、もう完全に泣くでしょうね。
重松清さんも大好きな作家さんです。
初めて手にしたのは『その日のまえに』だったと思います。
『流星ワゴン』や『きよしこ』など、どれも素敵な作品ばかり。
『かあちゃん』は・・・
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内容紹介
同僚を巻き添えに、自らも交通事故で死んだ父の罪を背負い、生涯自分に、笑うことも、幸せになることも禁じたおふくろ。いじめの傍観者だった日々の焦りと苦しみを、うまく伝えられない僕。精いっぱい「母ちゃん」を生きる女性と、言葉にできない母への思いを抱える子どもたち。著者が初めて描く「母と子」の物語。
お母ちゃんは、笑うことを禁じた。死んだお父ちゃんの罪を、一生背負うために――。
おふくろが、ものも言わずに、一心不乱に家族の写真をちぎっていく。家族三人の笑顔は、もう貼り合わせることもできないほど、小さなかけらになってしまった。(本文より)
罪を償っていくという事は、どういうことなのか。
そんなことを考えさせられる作品でした。
夫の起こした交通事故で命を落とした同僚の家族に、一生かけて償なっていくと決めたかあちゃん。その日から、笑うことも楽しむこともなく働き続けたかあちゃん。
中学生の僕は親友をいじめた。自分がいじめられるのが怖くて・・・
誰にも助けを求めることが出来ずに自殺を図り、そして転校していった親友。
中学生の僕は「かあちゃん」に出会い、自分の罪を背負い忘れずにいることを誓います。
小説の最後のほうで、「かあちゃんなぁ、笑い方わすれてしもうた」と母ちゃんが言う場面があります。
胸がつまります・・・
そんな思い十字架を背負う前に、たくさんの人に読んでもらいたい作品でした。