『ある男』 平野啓一郎 著 読みました。
『ある男』 平野啓一郎
2019年、本屋大賞にノミネートされている作品です。
平野啓一郎さんの本を手に取るのは初めてです。
とても面白かったですよ♪
Amazonの商品紹介です。
内容紹介
愛したはずの夫は、まったくの別人であった。
「マチネの終わりに」から2年。平野啓一郎の新たなる代表作!
弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。
宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。ある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に「大祐」が全くの別人だったという衝撃の事実がもたらされる……。
里枝が頼れるのは、弁護士の城戸だけだった。
人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を背負っても、人は愛にたどりつけるのか。
「大祐」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。
人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。
このお話は、闇の戸籍交換業者によって、他人と戸籍を交換して生活をしている人がいる・・・
家族と縁を切りたい、自分の過去を捨てて新しい自分を生きて行きたい・・・
そんなところがベースとなっている小説です。
自分の親が、殺人事件を起こしてしまった。
どこへ行っても殺人者の子供というレッテルは付いてまわり、肩身の狭い思いをして生きてきた。
そして、戸籍交換により、新しい自分に生まれ変わった『ある男』は、普通の人生を送ろうと、誠実に一生懸命生き、やがて結婚。
子供にも恵まれ、妻の連れ子と４人で幸せな３年余りの暮らし。
仕事中の事故で命を落としてしまった『ある男』。
死後、別人になりすましていたことが発覚し・・・
残された妻は・・・
自分が愛していた人は誰だったのか？
名前は？
夫が語っていた過去は全て嘘だったのか？
途方に暮れてしまいます。
人が出会い、結婚し、家族として幸せに暮らしていく。
そこに過去はどうかかわって来るのでしょう。
自分と出会う前の事。
自分の知らない事実。
語られていた過去の話が、赤の他人のものだったとわかったら？
今まで幸せ暮らしてきた事実はなくなってしまうのか？
グッと惹きつけられる話でした(^^♪
私たちの身近にも、他人の人生を生きている人がいるのか・・・？
ちょっとぞわぞわします(^^;)
秋の夜長にいかがですか♪
